FSSC22000認証取得までにやるべきこと

FSSC HACCP

この記事を読まれているみなさまは、FSSCの認証取得を考えておられる事と思います。いざ取り組もうとなった時に、何から手をつけるべきか、不安な点や疑問点が多く出てこないでしょうか。

この記事を読むことで、以下のことが理解できるようになります。この記事を書いている私は、FSSC認証の審査員を担当しています。現役の審査員が、認証取得にお困りのみなさまのお悩みを解決するための、役立つ情報を提供していきます。

具体的な取得までの目安期間

結論としては、認証取得を考えてから認証を取得するまでには最低でも1年の期間は見ておいた方が良いでしょう。もちろん、この期間は、みなさまの会社の元々の食品安全に対する成熟度合、取り扱っている製品の複雑さ、取り組みにかける予算・人的資源の制約等によって、長くも短くもなります。一つの目安としての期間とご理解ください。

大きな認証取得までの流れは以下の通りです。

  • 第一段階審査の受審(9ヶ月)
  • 第二段階審査の受審(11ヶ月目)
  • 認証取得(12ヶ月目)

FSSC認証取得のためには、審査を実施できる認証機関との契約、第一段階審査の受審、第二段階審査の受審をしていただく必要があります。1年後に認証取得であれば、逆算して、第一段階審査を9ヶ月目に、第二段階審査を11ヶ月目に受審いただくペースをお勧めいたします。

認証取得までにやるべき事のチェックリスト

次にどのようなことに取り組んでいったらよいか。目安となる認証取得までの1年を逆算したチェックリストを下記に記載いたします。FSSCは食品安全を管理するための仕組みです。仕組みの構築には、PDCAサイクルを活用する事が重要です。下記チェックリストを参照し、みなさまの会社における、実施事項の日付を明確化の上、認証取得までのPDCAサイクル(スケジュール作成)を実施してみてください。

まずはじめに取り組むことについて

上記のチェックリストが取り組むべきこと及び期間のまとめになります。この取り組むべき事、一つ一つには重要なポイントがあります。今後、この取り組むべき事を具体的にわかりやすく解説をしていきます。今回は、初回という事で、上記のチェックリストよりまずはじめに取り組む、食品安全チームの結成について解説をしていきます。

食品安全チーム結成

食品安全チームの結成は非常に重要です。このチームがFSSC認証取得の活動を牽引します。FSSC認証取得のためには上記挙げたようにやるべき事がたくさんあります。食品安全チームを結成する事で、やるべき事を効果的・効率的に進める事ができます。

食品安全チームの一般的な構成及び役割
食品安全チームの構成 主な役割
トップマネジメント 食品安全活動に対して、方針・目標を確立したり、推進のためのサポートを実施する役割
食品安全チームリーダー

食品安全の仕組みを構築、維持、管理する。チームメンバーを管理する。教育を確実にする。トップマネジメントに仕組みの有効性などを報告する役割

食品安全チームメンバー 食品安全チームリーダーを補佐し、FSSCに関わる種々の活動を実行する役割

 

 各役割に対する望ましい人物

各役割における望ましい方は以下の通りです。会社の規模や組織によって、構成メンバーは変わります。重要なことは、多くの専門性及び職務権限を持った方々でチームを構成する事です。

 

役割

具体的な役職・望ましい人物

トップマネジメント

例)社長、工場長、常務、等

投資の判断や組織の方向性・戦略に関わる意思決定ができる人が望ましい

食品安全チームリーダー

例)品質保証、品質管理、製造部門等の管理職

取り組む会社の全体に対する知見・経験が豊富な人が望ましい

食品安全チームメンバー

例)メンテナンス、品質管理、総務、購買、等

各部門や課における知見・経験を有する人が望ましい

 

食品安全の仕組みが上手くいっていない会社は、FSSC認証取得を一部の担当者のみで推進をしている組織(食品安全チームが少数のメンバーで運営)です。このような組織はどうしても、食品安全の仕組みに欠陥ができてしまいます。食品安全チームの結成は、重要なステップと位置づけ、多角的な知見・経験をもったメンバーで構成するようにしてください。

さいごに

今回は、FSSC認証取得を目指されているみなさまに向け、取り組むべき時期の目安、取り組みのチェックリスト及び食品安全チームについて解説してきました。今後も認証取得に役立つ情報を発信していきます。

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